しょうゆラーメン×ホルモン焼き 旭川2大ソウルフードホッとな歴史
大雪山・旭岳を源流とする良質な水と肥沃な大地に恵まれた旭川は、米や野菜をはじめとする農業が発展し、自然の食料庫として発展してきました。その豊富な食材を活用して生まれたのが「旭川ラーメン」です。
明治末期から昭和20年ごろまで、旭川は養豚業が盛んで、廃棄していた骨を活用しようと豚骨スープが考え出されました。さらに豚骨の匂いを消し、風味を加える工夫として煮干しや昆布など魚介類を合わせるようになり、これが現在の旭川ラーメンの特徴であるWスープの原型となりました。
また豊かな水資源を背景に、酒や醤油などの醸造業も盛んだったことから、旭川ラーメンといえば、醤油味が基本となりました。麺はスープとしっかり絡み合う加水率の低い縮れ麺。また、味の決め手となる豚脂(ラード)は、スープの表面に膜を張り、熱を外に出さない役目も果たしています。
一方、旭川の養豚業はもう一つ、旭川独自の食文化を生み出しました。新鮮な豚の内臓が手に入りやすいため、戦後食糧難の時代、それまで捨てていたホルモンを塩味で食べるスタイルが庶民の間で広まっていきました。余分な脂が少なく、栄養豊富、さらにコラーゲンたっぷり。旭川発祥の「塩ホルモン」は、シンプルだからこそ味わえる素材の旨みと、ヘルシーさが注目され、女性を中心に全国的なブームを巻き起こしました。
ラーメンとホルモン。かつて栄えていた養豚業をルーツに持ち、独自の道を歩んできた旭川の2大ソウルフード。この2つを結び付けるのが、旭川の食文化とともに歩んできた旭川の醤油と、ホルモンブームを支えてきた食肉加工技術です。
今回、新たなご当地グルメの開発にあたり、生の直腸の独特の食感はそのままに、臭みを消し、歯切れのよいホルモンを新開発。これを各ラーメン店のチャーシューの煮汁や豚ガラスープ、生醤油などで煮込み、ラーメンとホルモン、2大ソウルフードのコラボ「旭川しょうゆホルメン」が誕生しました。